テンパステーション

エンタメって最高だ。天パって最高だ。

漫画『BEASTARS』感想: 動物だって、人間だもの

スポンサーリンク

BEASTARS 1 (少年チャンピオン・コミックス)

 

はじめに

自分が推していた地下アイドルが急にメジャーになると、ちょっと寂しいのと同時に、少し誇らしい気になりますよね。

 

最近でいうと「BiSH」なんかがまさにそうでした。

 

 

前から好きでちょいちょい聴いてたんですが、いつの間にか主題歌歌ったり、CM出てたりして、有名になったなぁと。

 

これだけ沢山のエンタメに毎日触れていると、自分が好きだったものが世に知れ渡っていく事に、ある種の快感を覚えます。それは音楽に限らず、映画も漫画もそう。

 

ただ逆の場合もあって、バズったり有名になった後でその作品に出会うと、ちょっと悔しい気持ちになると言いますか。まあ僕の場合、そのパターンの方が圧倒的に多いんですけどね。

 

今回ご紹介する『BEASTARS』も正にそう。実は、半年前くらいに友人から「読んだ方がいい!」と紹介されていたものの、絵のタッチがあまり好きになれず、ずっと読んでませんでした。

 

そんな中、マンガ大賞の1位を獲得したということを知って「世間に認められてる漫画だし、まあ読んでみようかな」と思って手にとったら、ああもう

 

めちゃくちゃ面白いんだもんな!悔しいっす!

 

僕は読んだマンガをその度に記録していて、2018年に入ってすでに40作品読んでたんですが、『BEASTARS』はその中で今のところ一番面白いと思う。

 

もう少し早く魅力に気づいていればなぁ・・・!本当に「読まず嫌い」は良くないなと思った今日この頃でした。

 

という事で、前置きが長くなりましたが『BEASTARS』を紹介していきましょう!

 

 

BEASTARS 1 (少年チャンピオン・コミックス)

BEASTARS 1 (少年チャンピオン・コミックス)

  • 作者: 板垣巴留
  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 2017/01/06
 

 

この作品はこんな人におすすめ

  • 巻を追うごとに面白くなっていく、ジェットコースター型の作品が好きな人
  • ミステリーが好きな人
  • 『ズートピア』の世界観が好きな人

 

『BEASTARS』のあらすじ

表紙のキャラクターのような、BEAST(=動物)たちが活躍する漫画『BEASTARS(ビースターズ)』

 

読む前は、「動物同士が能力で戦うバトル漫画なんかなぁ」なんて思ってましたが、濃厚なヒューマンドラマでした(登場人物ヒューマンじゃないけど) 。

 

舞台はハリーポッターのホグワーツのような、全寮制の学園「チェーリントン学園」。

 

ここでは肉食、草食、様々なタイプの動物が種族関係なく学んでいました。

 

そんな平和な学園で、ある日アルパカの「テム」という生徒が殺されるという事件が起こります。

 

真っ先に疑われるのは肉食獣。テムと同じ演劇部に所属していたハイイロオオカミの「レゴシ(=主人公)」も例外ではありませんでした。

 

この事件をきっかけに、学園内での肉食動物・草食動物の間に不穏な空気が流れます。そんな相容れない二種の動物たちを、まとめようとする存在がアカシカ(赤鹿)の「ルイ」

 

彼は演劇部のエースであり、チェーリントン学園のリーダー(=ビースター)にもっとも近い存在として、学園内で期待されていました。

 

レゴシは、異なる価値観をもった草食動物のルイと、ヒロイン的存在であるウサギの「ハル」との出会いを通じて、自分の中にある肉食動物としての葛藤と戦いながら、「テム」殺しの真相を探るために奔走することになります。

 

 

『BEASTARS』の魅力って?

この作品を面白くしているのは、動物たちの「人間くささ」にあると思います。

 

パッと思いつくのは『ズートピア』。

ズートピア MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

ズートピア MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー(クラウド対応)+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

 

 

この作品も「草食動物と肉食動物の価値観」について描かれた作品でした。

 

『BEASTARS』も、世界観やテーマは『ズートピア』に近しいものがあります。が、その世界にハードボイルドと、恋愛と、バイオレンスがプラスされているのがまず異なるところ。

 

そして圧倒的にちがうのは、

 

『ズートピア』は、動物を擬人化したもの

『BEASTARS』は、人間を「擬動物化」したもの

 

っていうイメージなんですよね。

 

『BEASTARS』に出てくるキャラクター、特に主人公のレゴシは悩み多き主人公。その悩みは動物ならではの悩みであり、人間に経験できないことなので、決して共感できるものではないはずなんですが、あまりにも人間臭いのでなぜか共感できてしまう

 

これが不思議で、新感覚。そして、この作品の一番の魅力ポイントだと思います。

 

では、そんな主人公のレゴシはどんな悩みを抱えているのか。

 

f:id:YutoCruyff:20180429185128j:plain

(1)恋の悩み

高校生といえば思春期真っ盛り。動物である彼らも例外ではなく、恋バナに花を咲かせます。

 

レゴシは寡黙で地味な性格のため、これまで恋をした事はありませんでした。

 

しかし、自分の半分以下の大きさであるウサギの「ハル」と出会い、次第に彼女に惹かれていきます。

 

異種族のウサギに対して、オオカミとしてどうアプローチしていくか悩む姿は、まさに一般的な男子高校生そのもの!恋愛漫画としても読むことができるんですね。

 

(2)ルイに対する羨望と嫉妬

レゴシは演劇部に所属するものの、所属は「美術チーム」。大道具の制作などを担当しており、地味で目立たない存在です。

 

対して、アカシカのルイは演劇チームのエース。学園のリーダー候補としても名高い有名人。

 

お互い種族も違えば、所属チームも異なるため、関わりがなかったものの「とある出来事」をきっかけに、二匹は深く関わりあうようになります。

 

自分にないものを全てもっているルイに対する、羨望のような嫉妬のような感情

 

特に若い頃はこういう感情って誰でも持ちうるので、そういう意味でもすごく共感できるポイントだったりします。

 

ちなみに光の存在であるルイにもまた「闇の部分」が存在し、彼もレゴシに対してある種の劣等感を抱いています。ここら辺の奥深さが、作品を面白くしている要素なんです。

 

(3)肉食動物としての悩み

(1)と(2)は誰もが共感できるポイントだと思うんですが、この(3)があるからこそ『BEASTARS』は面白い。そう言っても過言ではありません。

 

レゴシは「ハイイロオオカミ」。彼らは、どう猛な肉食動物として知られています。血の匂いに反応してしまうし、肉を欲してしまうこともある。

 

ハルに対する思いは、恋なのか、それとも肉食動物としての本能なのか。

 

ルイに対する羨望は、単に人を傷つける恐れのない草食動物への憧れなのではないか。

 

肉食動物としての悩みは、誰しもが持ちうる悩みと密接に関わりあっていることで、不思議と僕ら読者も共感できるようになっているのです。

 

 

ちなみに、こういった感情の機微に加えて、当然ストーリーも面白い

 

「アルパカのテム殺し」の犯人を追う、というミステリーとしても面白いですし、

 

・草食動物の肉が裏取引されている裏市

・同種だけで構成されるマフィア

 

など、この作品だからこそできる設定や展開が素晴らしく、巻を追うごとに面白くなっていく「ジェットコースター型のストーリー展開」な所も魅力です!

 

 

勝手に関連作品 

ブラックサッド

ブラックサッド 黒猫探偵 (EUROMANGA COLLECTION)

ブラックサッド 黒猫探偵 (EUROMANGA COLLECTION)

  • 作者: フアンホ・ガルニド,ファン・ディアス・カナレス,大西愛子
  • 出版社/メーカー: 飛鳥新社
  • 発売日: 2014/11/08
 

フランスの漫画で、アイシールド21の村田先生がtwitterで「面白い!」とつぶやいていたのをみて、買ってたけど読まずにそのまま「積ん読」していた漫画です。(字が細かかったので読むのを挫折していた…)

 

まだ読んでいないので、ストーリーは知らないんですが、おおよそ『BEASTARS』と同じく、擬人化した動物たちの重厚なストーリーなんだと思います。

 

『BEASTARS』が予想以上に面白かったので、この作品もちゃんと読んでみよっと!

 

 

おわりに

『BEASTARS』の作者の板垣巴留先生は、バキシリーズの作者板垣恵介先生の娘さんという噂もあります。

 

同じチャンピオンということもあり、なんとなく信憑性はありそうなものの、もちろん公式では発表されていないので、あくまでも噂レベルではありますが。

 

ただこの作品は、板垣先生の娘さんだろうがそうじゃなかろうが、そんなことを抜きにして面白い。というのは変わらない事実!

 

こんなブログを運営している以上『BEASTARS』のような名作に誰よりも早く出会えるよう、審美眼を鍛えていきたいなぁと思う今日このごろです。

 

BEASTARS 1 (少年チャンピオン・コミックス)

BEASTARS 1 (少年チャンピオン・コミックス)

  • 作者: 板垣巴留
  • 出版社/メーカー: 秋田書店
  • 発売日: 2017/01/06
 

 

 

本日のおじさんのにがおえ(from Instagram)

https://www.instagram.com/p/BiHmEaznK5u/