漫画レビュー

漫画『風雲児たち』:歴史は「なぜ」を追求すればするほど面白い

風雲児たち

はじめに

高校の時、僕は「東進ハイスクール」と「ナビオ」って塾を掛け持ちしてました。

ほとんどの科目は「東進ハイスクール」で受講してたんですが、唯一「世界史」だけは「ナビオ」で受講してたんです。

っていうのも、「ナビオ」の体験入塾で受けた世界史の授業が面白すぎて、結局「世界史だけはナビオ」という非効率な選択をしてしまったと。

何が面白かったというと、やっぱり講師の方の「べしゃり」ですよね。歴史の流れをただ話すだけでなく、ちゃんと時代背景とか、おもしろトリビアを説明してくれて。

今でも忘れられないのは、中世ヨーロッパの「十字軍」のエピソードで、第1回十字軍からの変遷を「スターウォーズを語ってるかのような壮大な語り口」で話す訳です。本当に映画を観てる感覚で聞き入ってしまって、歴史って面白いなぁと改めて思いました。

(そういえば「十字軍」をしょっぱなから扱った漫画ってないんですよね…キングダムみたいに、面白くなりそうなんですが)

歴史の出来事一つ一つには必ず理由があって、その理由「なぜ」を深掘りしながら勉強していくと、やっぱりめちゃめちゃ面白くて、唯一「歴史」だけが、苦じゃなかった科目だった気がします。

あと、歴史って響きが面白い系の単語が多くて、それも個人的にはツボです。

墾田永年私財法とか、カノッサの屈辱とか、マルクスアウレリウスアントニヌスとか。

前置きに20巻かかってしまった漫画

以前、この記事で「同時多発的にいろんなキャラのストーリーが始まって、最後全てが一つに収束する」作品は面白い、と書きました。

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同じような法則があって、

「大勢の主人公が一つの時系列で、長い時間をかけて物語を紡いでいく作品」

も同じように面白いと思うんです。

例えば、有名どころでいうと「ジョジョ」とか。

浦沢直樹先生のBILLY BATもそんな感じでした。

そして、その代表格と思われるのが本日紹介する『風雲児たち』だと思うんです

この漫画、世界史派だった僕が一気に日本史に興味を持つようになった作品で、江戸〜幕末までの歴史の流れがバチンと頭に入ってきます。超オススメ。

どれくらいオススメかというと、僕が「将来自分の息子に絶対読ませたいと思っている漫画」が3作品あって、それが『ONE PIECE』『宇宙兄弟』そして、この『風雲児たち』。っていう程だったり。

きになるストーリーですが、全編を通して「倒幕がなぜ起こったか」を描いています。

しかし、その「なぜ」を根元まで突き詰めていったときに、作者のみなもと太郎先生は「関ヶ原の戦いから描かなければならない」と思ったらしく、1巻の冒頭はなんと「関ヶ原」から始まります。

そこから幕末に到るまでの265年間が、主人公を交代しながら語られる、という流れ。

巻数にしてなんと20巻。本題に入るまで20巻かかるんです!

ちなみに、『風雲児たち』自体は一旦20巻で終了するんですが、現在は『風雲児たち 幕末編』として、今なお連載中だったりします。

さらに、驚くべきことにこの漫画、何を隠そう

ギャグ漫画なんです。

風雲児たち?蘭学革命篇?

(実際の絵柄はマジでこんな感じ)

劇画調の表紙からは考えられないポップさ。

ただ、ギャグ漫画といえど、侮ることなかれ。

めっちゃ泣けます。

とにかく熱いんです。個人的には、田沼意次のパートが好きで、田沼意次って、一般的には「悪政」を行ったとして知られていますが、天明の大飢饉とか時代の不運が重なった結果「悪政」になってしまっただけで、実はかなり先見の明があって、日本の未来を考えていたんだとか。

もちろん、みなもと先生の誇張もあるかもしれませんが、田沼意次が民からの理解を得られない中で、それでも日本の未来を思って行動する姿はホント涙します。

かなり素敵な作品なので、いろんな人に知ってもらいたいな、と思いつつ、今年の年明けにNHKで一部パートがドラマ化されていました。好評だったみたいなので、また◯◯編という形でやってくれたらいいなぁ。

ぜひ、皆さんも手にとっていただければと思います。

この作品は、こんな人におすすめ

  • 歴史好きな人
  • 熱くて泣ける作品が好きな人
  • 日本のギャグ史も合わせて知りたい人

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