テンパステーション -Tempa Station-

小ネタを挟みつつ、独自の視点でマンガや映画を褒めちぎります!このブログをきっかけに「人」と「作品」を繋ぐことができたらいいなと思います。

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漫画『凍りの掌 シベリア抑留記』:決して風化させてはいけないこと

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凍りの掌

 

Yuto Cruyff(@chiripama)です。

 

山崎豊子さんの作品に『不毛地帯』というものすごい小説があります。

 

不毛地帯 (第1巻) (新潮文庫 (や-5-40))

不毛地帯 (第1巻) (新潮文庫 (や-5-40))

 

 

主人公が、太平洋戦争、シベリア抑留を経て、商社マンとして成り上がる壮大なストーリー。

 

この小説については、いつかブログが軌道に乗ったら紹介したいなぁと思うんですが、冒頭1巻の『シベリア抑留』パートがとにかくものすごい。

 

僕は、恥ずかしながら『不毛地帯』を読むまで、シベリア抑留についてはあまり知りませんでした。

 

シベリア抑留

第2次大戦終結時にソ連軍に降伏・逮捕された日本軍人その他がシベリアで強制労働に従事させられたこと。その大部分は関東軍軍人で,これに樺太・千島,北朝鮮武装解除された部隊が加わり,その数は日本政府推定で57万5000余人とされる。軍人以外では満州国官吏,国策会社,植民地統治機構,協和会,新聞社などの幹部役職員など約1万2200人が含まれる。

(世界大百科事典より一部抜粋)

 

終戦したにも関わらず、旧ソ連で強制労働を(しかも人によっては10年以上も)させられた人が60万人もいたという事実。

 

将来が全く見えない中で、過酷な労働を強いられ、仲間が目の前で死んでいく姿を見なければならない状況。ソ連軍による日本人への共産主義教育が原因で、日本人同士の争いもあったと言われています。

 

1956年といえば、すでに高度経済成長期にさしかかっている訳ですから、日本では徐々に生活が豊かになっていく一方、シベリアにいた方々はロシアのめちゃめちゃ寒い土地で、飢えに耐えながらいつ帰れるかもわからない状況を送っていた人もたくさんいたのでした。

 

不毛地帯』では、これらの様子が生々しく描かれています。

そして、これから紹介する漫画は、その生々しさがビジュアルで表現されています。

 

父親の実体験を書き起こした『凍りの掌』

bookstore.yahoo.co.jp

 

 おざわゆきさんによる『凍りの掌』は、父親の実体験を書き起こす、と行った手法で描かれた作品です。

 

特徴的なのは、決して写実的ではないポップな絵柄。しかし、それがまた当時の状況の悲惨さを際立たせます。

 

本編ももちろんそうですが、「あとがき」がすごく良くて、作者のおざわゆきさんが、こういった体験の継承の大事さを強く訴えてるんですね。

 

自分たちは戦争のない平和な時代に生まれたので、なかなか戦争をイメージすることは難しい。特に、これからは実際に戦争を体験した人がいなくなる時代に突入する訳なので、僕たちが、しっかり体験を聞いて、後世に伝えていく必要があります。

 

シベリア抑留を題材にした作品は以外に少ないので、そういう意味でも、この『凍りの掌』が果たす役割は非常に大きいと考えます。

 

真面目な話になってしまいましたが、ぜひ手にとっていただければと思います!

 

※2018/2/22まで1巻無料で読めるみたいです!