
はじめに
大学の授業って、基本つまらなくて眠いイメージないんですが、そんな中でも夢中になってしまう授業もあるもので。
僕の場合「美術史」がそれでした。
様々な美術作品を題材に、それにまつわる歴史や背景を勉強する学問なんですが、これがまあ面白くて。
一つの絵をとってみても、その絵が完成するまでのストーリーがしっかりあって、そのストーリー知った上でもう一度絵を見るとより一層その絵の味わいが深まるわけです。
美術史を学ぶ事で、いうなれば芸術をエンタメの一つとして楽しめるようになるんですよね。まあ、芸術をエンタメと称するなんて少しおこがましい気もしますが・・・。
大学以来、美術史に触れる機会なんてなかった訳ですが、今回出会った漫画『モナリザマニア』は、まさにあの頃感じた「美術って面白い!」を彷彿とさせてくれる作品です。
こんな人におすすめの作品です
- 美術に興味がある人
- 『ゴールデンカムイ』など「モノ集め」系の作品が好きな人
- 「やりたいことをやるべきか、できることをやるべきか」で悩んだことがある人
作品情報
作品名 | モナリザマニア |
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著者 | ヨシカゲ |
ジャンル | 美術×コレクター |
掲載誌 | ジャンプSQ |
連載開始 | 2018年10月 |
既刊 | 1巻 |
受賞歴 | |
メディア化 |
※2019年1月22日時点の情報です
『モナリザマニア』あらすじ
藝術大学を目指し、絵を勉強する青年・カワセミ。だが才能は認められず、浪人の日々を送っていた。ある日、カワセミが描いた絵を処分していると、フリーで画商をしているというメルに出会う。そして次の瞬間、メルから提案されたもの……「贋作を描く気はねぇか?」メルが見出すカワセミの思わぬ才能とは…!?
「贋作のスキル」を武器に、世界中に散らばるとされている「モナリザ」を集めるというストーリー!
1巻時点の相関図を描いてみました。登場人物の関係性はこんな感じです。
『モナリザマニア』の魅力
モナリザが贋作というトンデモ設定
「贋作を活用して本物のモナリザを手に入れる」というのがストーリーの大軸。
現在ルーブル美術館で展示されているモナリザが、実は偽物というなかなか大胆な設定です。
本物のモナリザを含めて世界にモナリザは6枚存在し、それを集めていくんですが「モノ集め」の話ってそれだけでワクワクしませんか。
古くは『どろろ』(手塚治虫)とか、『ドラゴンボール』(鳥山明)も当初はそうでしたよね。最近は『ゴールデンカムイ』(野田サトル)とかが該当するかも。
「モノ集め系」の話はゴールが見えるので、そのゴールに対しての進度がわかるのがワクワクをかきたてるのかもしれません。
画風の憑依
主人公は画家の審美眼を盗み、同じように描けるという「贋作スキル」が長けています。
各エピソードごとに色々な名画の贋作を描くのですが、そのシーンで実際に漫画の画風がそのタッチに切り替わります。

(『モナリザマニア』1巻より引用)
例えば、ゴッホのひまわりを描く時に、漫画自体のタッチがゴッホ風に変わる。
こういう遊び心、好きです。単純に、「次はどの画家のどんな作品が出てくるんだろう」と気になりますね。
実際このかき分けにはスキルが必要で、作者のヨシカゲ先生のセンスの高さが伺えます!
オリジナルor贋作!?主人公の葛藤
主人公はもともと美大を目指していたのですが「独創性がない」という理由からか不合格を繰り返し、そのことについてずとコンプレックスを抱いていました。
そんな中、相棒のメルからオリジナルではなく贋作の才能を見出される訳ですが、いずれは「本当はオリジナルが描きたい」という葛藤が湧き出てくるようにも思います。
「やりたいことをやるべきか、できることをやるべきか」というのは、誰しもが持ち得る悩みだと思うので、主人公がそういった悩みをどういう風に克服していくのかも気になるポイントです。
おわりに
本作、まだ1巻しか発売されておりません。その中で登場した絵画は以下の通りです。
- モナリザ ダヴィンチ
- ひまわり ゴッホ
- ナンバー17A ジャクソン・ポロック
今後のストーリー展開がどう転ぶかわかりませんし、長期連載なのか、はたまた短期で終わってしまうのかもわかりませんが、西洋美術か現代アートまで、いろんな絵を扱って欲しいなぁと。
昨今は美術館ブームでもありますし、人気漫画の一つになって欲しい!僕としては、これからも応援していこうと思います!
では、今日はこんなところで!