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漫画『テセウスの船』あらすじと感想:過去に戻って冤罪を晴らす!

テセウスの船

はじめに

この世の中で一番怖いものって何ですか?お化けですか?受験ですか?上司ですか?

僕がこの世で一番怖いのはネタバレです。ネタバレしそうになった人は容赦無く口を封じます。

そして、その次に冤罪。人生における影響度でいったら、ネタバレよりよっぽど怖いかもしれません。

自分は悪いことしてないのに、犯罪者として扱われ、その後の人生がめちゃくちゃになってしまう、というやつ。

『それでも僕はやってない』みたいに、痴漢の冤罪なんて、いつ自分の身に起こってもおかしくないですもんね…

本日紹介するのは、そんな「冤罪」(痴漢じゃないけど)を扱ったミステリー作品『テセウスの船』です。

まだ連載中ですが、親子の絆を描いた作品として傑作になりそうな予感!行きつけの美容師さんに教えてもらって、まんまとハマってしまいました。

こんな人におすすめの作品です

  • タイムスリップモノが好きな人
  • ミステリー作品が好きな人
  • 子供がいるパパ

作品情報

作品名 テセウスの船
著者 東元俊哉
ジャンル タイムスリップ×ミステリー
掲載誌 モーニング
連載開始 2017年6月
既刊 5巻
受賞歴
メディア化

※2018年12月11日時点の情報です

『テセウスの船』あらすじ

1989年6月24日、北海道・音臼村の小学校で、児童含む21人が毒殺された。逮捕されたのは、村の警察官だった佐野文吾。28年後、佐野の息子・田村心は、死刑判決を受けてなお一貫して無罪を主張する父親に冤罪の可能性を感じ、独自に調査を始める。事件現場を訪れた心は、突如発生した濃霧に包まれ、気付くと1989年にタイムスリップしていた。時空を超えて「真実」と対峙する、本格クライムサスペンス、開幕。

「大量殺人の犯罪者の息子」として育った主人公。

父親の無罪を信じて事件の真相を調べているうちに、事件当時の時代にタイムスリップしてしまい、事件前の父親や被害者たちと共に過ごすことになります。

はたして、主人公は事件の真相を突き止めることができるのか、というが大まかなストーリー。

導入は言ってしまうと「よくある展開」なんですが、ベタこそ王道ということもあり読み始めると止まりません!

『テセウスの船』の魅力

『僕だけがいない街』に真っ向から勝負

上記に「ベタなストーリー」なんて書きましたが、具体的に言うと、多くの人が「『僕だけがいない街』に似てね?」って感じると思うんですよ。

『僕だけがいない街』・・・これも「過去に戻って事件をなかったことにする」的なストーリーで、そういう作品自体はたくさんあると思うんです。

ただ『テセウスの船』の場合、「北海道が舞台」だったり「雪の日に事件が起きる」だったりと、『僕だけがいない街』の画の雰囲気とも似てるもんですから、こりゃ嫌でも重なっちゃいます。

下町ロケットの福澤朗と古舘伊知郎くらい重なります!

ただ、そんなわかりやすい被りをするからには、きっと『テセウスの船』には『僕だけがいない街』にない、差別化ポイントと勝算がきっとあるハズなんですね。(じゃないと企画が通らないと思う)

まだ既刊5巻で物語も序盤の雰囲気ですので、僕は今後の差別化展開に大いに期待しています。

緊張と緩和の涙

その上で『テセウスの船』にある独自要素って何だろうと考えると、「冤罪」と「父息子の絆」だと思うんですね。

まず冒頭の通り、この作品は息子が父親の冤罪を晴らそうとするストーリーなんですが、もう「冤罪」っていうテーマ自体が誰にでもありうることなんで、読書時に妙な緊張感があります。

そんな中、父親のキャラクターがすごく愛らしくて。

物語の冒頭では「モロ犯罪者みたいな表情」の写真で初めて登場するのですが、実際はもう絶対犯罪なんて起こさないだろ!っていうくらい優しいおっさんなんですよ。

過去にタイムスリップしたあと、主人公と父親はどんどん親密になっていきます。

「父親」との会話は、主人公がこれまで望んでも手に入れられなかった時間ということもあって、その何気ない会話、父親が息子にかける言葉に、優しい気持ちになります。

こういった緊張と緩和の感じが絶妙で、その行き来でいつの間にか涙してる。という瞬間が何回かありました。

タイトルに隠されたテーマ

こんな話があります。

「ギリシャ神話の英雄・テセウスの船を後世に残すため、古くなった部品を徐々に新しいものに変えていくうちに、元々の部品は無くなってしまった。

では、この船は最初の船と同じ船と言えるのか。」

これが、タイトルにもなっている「テセウスの船」と言われる逆説です。最強の矛と最強の盾が戦ったらどうなる?といういわゆる矛盾のエピソードのようなものですね。

主人公が過去に行き、事象を改変することで、やがて現在は「自分の知っている現在」では無くなっている。では、変わった現在の自分は果たしてこれまでの「自分」と同じと言えるのだろうか。

何故この作品はわざわざ『テセウスの船』なんてタイトルをつけたんでしょう?その意味は?ラストにどう決着を着けるのかが非常に気になるところ!

勝手に関連作品

この作品はですねぇ、上記の『僕だけがいない街』しかり、たくさんの作品を想起させるんですよ。一つ一つ、かいつまんでご紹介しますね!

小説『流星ワゴン』

「父親と息子の絆」というテーマにおいて、非常に近いものを扱っています。

というか『流星ワゴン』も、「若かりし頃の父」との対話が物語の中心なので、その点は結構酷似していたり。

それにしても、重松清先生の作品は『流星ワゴン』しかりなんですが、涙ポロポロ系の作品が多いですよね。涙活にオススメです!

映画『ゴールデンスランバー』

共通点は「冤罪」。伊坂幸太郎先生の小説を映画化した作品なんですが、主人公が首相暗殺の冤罪を着せられいろんな人から追われるという話。

もちろん原作も素晴らしいのですが、映画の演出がそれ以上によかったのでここは映画の方を推させていただきます。

主題歌はTHE BEATLESの同名タイトルを斉藤和義さんが歌ってるんですが、これまた心地よい!

漫画『モンタージュ』

この作品も、「父親の容疑を覆す!」っていうストーリーなんですね。

『モンタージュ』が扱うのは「三億円事件」!主人公の父親が、三億円事件の犯人なんじゃないか?というところから物語がスタートします。

一時期三億円事件を扱ったフィクション(『クロコーチ』とか)がめちゃくちゃ増えた気がするんですが、三億円事件ってなんかワクワクしませんか?面白い作品が多いんですよねぇ。

『モンタージュ』も一気に読めてしまうジェットコースターサスペンスなので、長期休みの暇つぶしにもってこいです!

漫画『東京卍リベンジャーズ』

最近ハマってる漫画です!

中学生時代の元カノが殺されてしまい、それを阻止するために過去にタイムリープし「過去を改変する!」といったストーリー。「過去戻り」文脈で近しい作品ですね。

不良系作品なんですが、キャラが立っていてグイグイ引き込まれます!

おわりに

息子が生まれてから「親子愛」的な作品にめっぽう弱い気がします。

そういう意味でも、この『テセウスの船』は一押ししたい作品です!

題材的にも、実写化向きな気がしていて。そのうち、主人公:窪田正孝くん。父親:大泉洋さんあたりで実写化するんじゃないかなぁと。

そんな妄想をしながら、続きを楽しみにしている作品でもあります。

気になる方は、ぜひぜひ読んでみてくださいね!

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