
はじめに
先日『カメラを止めるな!』を鑑賞しまして、興奮覚めやらぬままブログの記事を書きました。

あれから1ヶ月。ブログには「もしかすると、これから公開規模がどんどん広がっていくかもしれません。」なんて書きましたが、本当にその通りになっていて(予言者!?)、8/25現在225館で上映しているようです。1ヶ月で4倍近くになりました。スゴイ!!
SNSやネット上でも、まだ色々な記事を見かける『カメ止め』。僕自身、未だに「面白い映画だったなぁ!」と1シーン1シーンを思い出します。
そんな中、今回は昨日観た『フロム・ダスク・ティル・ドーン』という映画を猛プッシュしたいのです。この映画、『カメ止め』鑑賞後と同じ興奮を味わえます。『カメラを止めるな!』を観て「面白い!」と思った方には、ぜひ観ていただきたい!
もちろん『カメ止め』を観た方には「ネタバレによって面白さが半減する」事の重大さが、お分りいただけると思います。
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』も例のごとく。気になった方は、この場でそっとこの画面を閉じて、前情報を何も入れず今すぐTSUTAYAに行ってください!(あ、NETFLIXやHuluでも観れます)
ここからは、ネタバレ全開でこの映画の面白さと、『カメラを止めるな!』との共通点についてお話しようと思います。(『カメ止め』のネタバレについて言及しているので、まだ観ていない方もそっとこの画面を閉じてくださいね。笑)
作品情報
作品名 | フロム・ダスク・ティル・ドーン |
---|---|
公開 | 1996年1月 |
監督 | ロバート・ロドリゲス(スパイ・キッズ) |
脚本 | クエンティン・タランティーノ(キル・ビル、パルプ・フィクション) |
主な出演者 | ジョージ・クルーニー(オーシャンズ11) |
受賞暦 |
あらすじ
世間を震え上がらせる凶悪犯の兄弟(兄:ジョージ・クルーニー、弟:クエンティンタランティーノ)が、とある一家を人質にとるところから始まります。一家はトレーラーハウスで移動しており、兄弟は一家に国境を越えるように命じるのです。果たして凶悪犯を乗せたトレーラーは検問を超えることができるのか・・・
100分ちょっとの映画なのですが、「前半は」スリル満載のクライムサスペンス。冒頭からとにかく手に汗握る展開で、さすがタランティーノ脚本という感じ。
タランティーノ作品は観てたり観てなかったりなのですが、やはり「オシャレで濃厚でハードボイルドな会話劇」という印象が強く、本作も「前半は」その色が出ていましたし、最後までずっとこの感じで楽しませてくれるんだろうなー、と思っていました。
それ故、あるシーンを境に「全く別の映画になる」本作の構成には本当にしびれました。
そう、この作品、後半は超絶おバカ映画なのです!!!!
後半はこの通り。
無事国境を超えた一行は、兄弟たちの待ち合わせ場所であるクラブ「ティッティー・ツイスター」に到着します。そのクラブは荒くれものが集まり、セクシーなヌードダンサーが踊る、パリピ感溢れる場所でした。そんなセクシーなダンサーたちですが・・・実は「ヴァンパイア(吸血鬼)」だったのです!クラブに閉じ込められてしまった主人公一行。吸血鬼に噛まれたほかのクラブの客は、どんどん吸血鬼に転化してしまいます・・・!果たして、主人公たちは無事クラブを脱出することができるのか!!
・・・謎!!
これ、本当にこんな展開なんですよ。
渋い映画だと思ったら、急にお馬鹿なパニック・ホラー映画に変わって、正直笑ってしまいました。
もう一度いいます。この映画、途中からいきなりヴァンパイア映画になります。何を言ってるかわからねーと思うが、僕も何を書いてるかわからなくなった・・・
『カメ止め』との比較
ここで改めて、この映画と『カメラを止めるな!』の共通点を改めて挙げてみます。
突然のサプライズ

カメラを止めるな!はご存知のとおり
- (1)37分ワンカットのゾンビ映画
- (2)その映画が作られるまでの背景
- (3)背景を踏まえたうえで、俯瞰してもう一度(1)を見てみる
というパート構成でした。
事前にプロットを知らなければ当然、(1)の時点では(2)や(3)がある事が分からないわけですから、(2)に切り替わった瞬間の驚きと興奮と言ったらもう!あの感覚は、今でも忘れられません。「そういう事かー!」という。
一方、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』は
- (1)手に汗握るクライムサスペンス
- (2)お馬鹿パニックホラー映画
というパート構成。
正直(2)になった瞬間の驚きは『カメ止め!』を超えていたかもしれません。「どういう事やー!」っていうね。
『カメラを止めるな!』は一応(1)のパートでも「違和感」を感じる部分がいくつもあって、それが伏線となり(3)で生きてきた訳ですが、
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』の場合、後半パートを匂わせる複線が一切ないんですね。本当に、いきなり映画のテイストが変わります。
最近こんなtwitterの投稿が話題になっていますが、
睡蓮花の歌詞見るたび「最初に歌詞書いてたやつ殺されて別のやつに乗っ取られてる」っていうツイート思い出して際限なく笑ってしまう pic.twitter.com/UevyGyhee0
— いざかや辻子 (@cozuch710) August 23, 2018
まさに 『フロム・ダスク・ティル・ドーン』も、「脚本家が途中でヴァンパイアにでも殺されたんか!」と思わせる仕上がりになっています。
愛着のもてるキャラクター

『カメ止め』を観終わったあと、僕は運よく舞台挨拶を拝見できたのですが、無名の方なのにも関わらず、スーパースターに会ったかのように興奮しました。
それくらい、劇中でそれぞれのキャラクターがいい味を出していて、観終わる頃には演者の皆さんが全員好きになってしまう映画なんです。
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』も同様、出てくるキャラが愛おしい!
もちろん、主役のジョージ・クルーニーもかっこいい(前半は最悪の凶悪犯なのに、後半はただのイケメンになる)んですが、途中で主人公グループの味方になる脇役のオッサン達がいい味出してます。
ハンターハンターのキルアのように、ヴァンパイアから心臓を抜き取る渋いオッサンもいいですが、やっぱり一番好きなのは、股間がピストルになってるオッサン。その名も「セックスマシーン(直球)」。
このノリ、『MAD MAX 怒りのデスロード』に出てくる乳首の部分だけ穴あいてる服のヤツを思い出しました。

いや〜前半は、普通の警察官が「48時間以内にヤツらを見つける・・・!」とか普通のセリフを言ってるんですけどね〜。結局あの警察たちは最後まで出てこず、後半はヘンテコなおっさんたちとヴァンパイアだらけの映画です。何度も言いますが、本当に何の映画を観ているか分からなくなる。
でも、この「訳の分からなさ」が映画を最高に面白くしているのです。
根幹部分が一緒

『カメ止め』と『フロム・ダスク・ティル・ドーン』、2つの作品がこれほどまで面白いと思える理由、それはどちらにも「アホなことを真剣にやることの美しさ」が見えるからだと思うんですよ。
大人になればなるほど、責任の領域が増えるほど、「遊び心」って忘れてしまうものです。
でも、真剣さが備わっている「遊び」には、きっと人の心を動かす力があるんだと、この2作品を観て改めて感じました。 もっともっと遊ばなきゃだめだな!!
おわりに
今回『フロム・ダスク・ティル・ドーン』を鑑賞したのは、たまたま「観るリスト」の順番が回ってきただけで、『カメ止め』と同時期の鑑賞だったのは本当に偶然でした。
僕の場合、観るリストに常に100本くらい入ってて、回ってくる頃には「なぜリストに追加したか」「誰に紹介されたか」「どういうストーリーか」を全て忘れているアホな状態になっちゃっているのですが、今回みたいな出会いがあるのなら、これはこれで良かったなぁと思います。
100分ちょいで短めの映画なので、サクッと楽しめる本作。『フロム・ダスク・ティル・ドーン』、ぜひ前半後半のギャップを感じながら観てみてください!
『カメラを止めるな!』に似ている映画はまだまだある!ぜひ、こちらの記事ものぞいてみてください。

では、今日はこんなところで!