映画レビュー

映画『パラサイト』で気になった単語たち。そもそも半地下ってなんぞ

はじめに

去年だいぶ話題になったので、公開したらまっ先に行きたいと思っていた韓国映画『パラサイト』を観てきました。

基本、ミーハーだしなんでも面白いと思ってしまう性格なのですが、やっぱり噂に違わぬ面白さ。でも前知識を入れないで観た方が絶対面白いタイプの作品です。なので、まだ観ていない人は今すぐこの記事を閉じて観に行ったほうがいい。

といいつつ、せっかくこの記事をのぞいていただいたので、個人的に映画を観ていて「?」となったことを後から調べてみたので、その情報を共有します。

つまり、韓国が舞台の映画なのでどうしてもローカルネタがわからなかったりします。で、それを調べてみると「あ、これは前もって知っておいた方がいいなぁ」という情報がいくつかありました。今回はその視点でご紹介。

とはいいつつ、少しこの映画について語りたいのでネタバレ感想をラストに添えます!

『パラサイト』あらすじ

まずは予告編と概要の紹介をば。

作品名 『パラサイト 半地下の家族』(原題:기생충)
公開 2020年1月(日本)
監督 ポン・ジュノ
脚本 ポン・ジュノ/ハン・ジンウォン
出演 ソン・ガンホ

気になる韓国ワード

ということで、劇中に自分が少しわからなかった単語をここで紹介していきます。

(ネットの情報を漁っただけなのでどれくらい正確な情報かはわかりません。あくまでも二次情報、三次情報という認識で、参考程度にとどめておいていただければと思います。)

半地下

まず、そもそもタイトルにもある「半地下」とはなんなのか。これば物件のタイプの話で、文字通り半分地下に埋まっている住居のこと。部屋の上部にある窓が、地上と繋がっており、劇中ではそこからおじさんの立ちション姿が見えるという描写もありました。

韓国では実に国民の2%がこの半地下住居に住んでいるようです。韓国の人口は約5,000万人なので半地下に住んでいる人は100万人ほど。結構多いですね。

そもそも、なぜ日本ではあまり見られない半地下物件が韓国では多いのか。

下記のサイトによると、もともとは北朝鮮との戦争に備えた防空壕でした。韓国の経済が発展するにつれ、次々と都市圏に集まる人々の安価な居住地として、その防空壕が形を変えたのが半地下物件だったのです。

半地下は湿度が高かったり水圧の都合で、トイレが高い位置にあったりととにかく劣悪な環境。韓国では半地下に住んでる=貧困、として認識されているそうです。

情報元はこちら

カカオトーク

LINEのようなメッセンジャーアプリです。もしかしたら分かんない方もいるんじゃないかなーと思って。カカオトークって、一瞬LINEの対抗馬みたいな感じで日本で登場しましたよね(全然流行らなかったですが…)。

韓国ではなんとシェア95%とのこと。

日本ではLINEが圧倒的なシェアなので「韓国ではカカオとLINEで半々くらいなのかな?」とおもいきや、ここまで差があるとは。

理由はやはり先行者メリットでしょうか。韓国ではカカオトークの方がLINEより1年早くリリースされており、その分多くのユーザーを獲得しているのかもしれません。日本は逆で、LINEの方が早かったので、この逆転現象が生まれてるのかもしれませんね。

台湾カステラ

劇中では「台湾カステラで失業」というフレーズが出てきます。これを調べてみたところ、韓国では一時期「カステラブーム」があったらしいのです。

ところが、このブームは一瞬で過ぎ去ってしまう。なんとブームの中心となっていた大王カステラというブランドが「材料は小麦粉と卵のみ。化学添加物は使っていません」と謳っていたのにも限らず、添加物をバリバリに使ってたとのこと。なんでそんなバレそうな嘘をついてしまったのだ!!

おかげで急速に店舗数を増やしていた台湾カステラのお店は、急速に閉店していき、一瞬でブームが過ぎ去ってしまったとのこと。なんとなく日本のタピオカブームを彷彿とさせますね・・・

日本のタピオカは不祥事こそ無いものの、今や多くの店舗はガラガラな印象を受けます。(うちの地元のタピオカ屋さんもついこの前オープンし、案の定全然人が入っていない)。

情報元はこちらのブログです。

カブスカウト

劇中で登場した「カブスカウト」。なんだろう?ボーイスカウトとは違うのかな?

と思い、我らがWikipediaで調べてみたところ、ボーイスカウトの学年分けの定義らしいです。

これはあくまでも日本のボーイスカウトの定義ですが、小学校2年生までをビーバースカウト、3〜5年生をカブスカウトと称し、小学6年〜中学3年を正式にボーイスカウトと呼ぶらしいのです。

ちなみに「カブ」とは幼獣のこと。スーパーカブのカブもこの意味なんですって。勉強になりました。

運転手食堂

いい感じのローカルフードを気軽に食べれそうな食堂のシーンがあって、そこでは「運転手食堂」と紹介されてました。急に出てきた運転手って何だ?と思い調べてみることに。

どうやら、もともとはタクシーの運転手の間で主に利用されていた食堂らしいのです。だから「運転手」と名前についてるんですね。

韓国は日本と比べてタクシー料金も安いのです。なので、そもそもタクシー自体が多いんですかね。いずれにせよ価格も安い「運転手食堂」はそういったタクシー運転手の憩いの場になっているそうです。

韓国のジャージャー麺

結構Twitterでつぶやいている人もいたんですが、劇中で出てくるインスタントのジャージャー麺がめちゃめちゃ美味そうなんですよ。

日本だとジャージャー麺ってそこまで頻繁に食べないですし、ましてや韓国のジャージャー麺ってどんな食べ物なんだろう。ということで調べてみました。

まず韓国のジャージャー麺は、豚のひき肉とチュンジャン(黒味噌にカラメルを加えたソース)を麺であえたもので、一般的にかなり食べられているそう。韓国ドラマでもしょっちゅう出てくるみたいです。

(余談ですが、韓国には「ブラックデー(4月14日)」と呼ばれる日があって、これはバレンタインデー、ホワイトデーを経ても彼氏彼女ができなかった人が、黒い服に身をつつんでジャージャー麺(黒い麺)を食べる儀式なんだとか。)

『パラサイト』で登場したジャージャー麺ですが、よくよく観ると二つのインスタント麺を混ぜて作っていたらしいのです。これは「チャパグリ」と呼ばれるもので、インスタントジャージャー麺の「チャパゲッティ」と、韓国の辛いうどん「ノグリ」という二つの即席麺を混ぜて作るんだとか。

韓国のバラエティ番組をきっかけに、上記の組み合わせが一気に広がったそうです。日本でいう「どん兵衛のできあがりを10分待つとめっちゃ美味い」と同類でしょうね。

ちなみに、劇中ではさらに角切りの肉を加えてたのですが、それが相当美味しそうだったので、あの感じで一回食べてみようかなーと思ってます。

エンディング曲

この映画のエンディング曲がすごくいい感じだったので調べてみると、半地下家族の長男役のチェ・ウシクさんが歌っているらしい。しかもアカデミー賞の主題歌賞にノミネートされていました。

確かに映画と密接にリンクした歌詞で、曲調もすごく印象的なんですよ。不穏なイントロから始まり、曲中はアップテンポで陽気なのに、アウトロはまた不穏な感じで終わるという。まさにこの映画の構成を象徴しているかのような曲になっています。

ネタバレ全開で感想

以上、映画をこれから観る方には上記の情報を「ほーん」という感じで目に留めておいていただければと思いますし、すでに観た方にとっては「そうなんだー!」と思ってもらえれば幸いでございます。

そして、ここからはネタバレ全開で感想を少し…!

本編はとにかくスピード感とハラハラ感ある展開で飽きさせないし、ちょいちょい笑いどころもあり、映画として完成度が高かったように思います。

そりゃあカンヌでパルムドールとるわ!と思ったのがクライマックスのシーン。あそこって、一般的な映画だと「半地下家族のみんなが襲撃犯から社長一家を守る」展開みたいになりがちじゃないですか。でも、あそこで妹が死んじゃったり、父ちゃんが混乱に乗じて社長を殺しちゃうっていう展開が衝撃的すぎました。まあ、本作のテーマからすると不自然ではないんですが。

貧富の格差を「寄生」することで埋められたかと思ったのに、それは表面的でしかなくて、「地下の匂い」を消すことはできない。
そしてその事実に気づき絶望したあげく、憂さ晴らしの選択肢が「混乱に乗じて衝動的に殺してしまうこと」だけだった。というのがなんとも虚しかったです。

ラストも「お金持ちになって父ちゃんと会えました」じゃなくて、「お金持ちになって父ちゃんと会えたら嬉しいな」なのも救いがないですよね。
韓国の経済事情をそこまで知ってる訳ではないですが、そのメッセージ性はガツンと伝わった気がします。

それにしても奥さん美人でした。

おわりに

映画における名作とは、観終わってからもその映画のことをずっと考えてしまう作品のことだと思っています。

そういう意味では『パラサイト』はまさに名作でした。まだ公開されて一週間経っていないですが、日本でも『カメラを止めるな』ばりに、今後多くの人に観られることになるでしょう!

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